兵庫県宝塚市のクロスボウ4人殺傷事件で31日の神戸地裁判決は、野津英滉被告(28)への死刑を回避し、無期懲役とした。3人死亡という結果の重大性と、被告の家庭環境、発達障害などを総合的に検討してきた裁判員の一人は「難しい判断だった」と振り返った。
最高裁は1983年の判決で、犯罪の性質や動機、結果の重大性など9項目を総合的に考慮するとの死刑適用基準(永山基準)を示し、刑事裁判で考慮されてきた。
司法関係者の間では、殺人の被害者が3人以上で被告の責任能力に問題がなければ死刑回避は難しいとの見方が根強くある。ただ、横浜市の旧大口病院で2016年に起きた点滴中毒死事件の横浜地裁判決(21年)などで極刑を選ばなかった例もあり、今回も慎重に量刑が検討されてきた。
判決は、死刑選択の最も重要な考慮要素であるのは結果だとした上で、3人の尊い命が奪われる取り返しのつかない結果が生じたと指摘。計画性の高さや強固な殺意、完全責任能力を認めた一方、被害者が家族であることなども考慮。「償いをさせるのが相当と判断した」としている。

 
								 
         
     
                     
                     
                     
                     
                     
                                                                                             
                                                                                             
                                                                                             
                                                                                             
                                                                                             
                                                                                             
                                                                                             
                                                                                             
     
     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
     
				