【ロンドン共同】富士通の会計システムの欠陥が発端となった英国の郵便事業者の冤罪事件で、英政府と富士通の英国子会社などは10月31日、被害者の精神的な回復のための支援を発表した。被害者同士のほか、政府や富士通側との対話の場を設置。試験的に実施し、具体的な計画は来年春に発表するとした。
英政府などの委託で被害者らへの聞き取りを行っている評議会が、被害者らはメンタルヘルス(心の健康)の支援を望んでいると指摘したことを受けた対応。
今回の支援とは別に、補償は2020年に始まり、既に12億ポンド(約2400億円)以上が支払われた。英政府関係者によると、政府や郵便会社、富士通側による負担割合は今後決める。
英国では政府が100%出資する郵便会社「ポストオフィス」が富士通子会社の会計システムを導入した直後の1999年以降、郵便窓口で集めた現金の額が会計システム上の記録より少なくなる問題が多発した。後に裁判所がシステムの欠陥を認定。事件で約千人が有罪判決を受けた可能性があると指摘されている。
