日米開戦の発端となったハワイ・真珠湾攻撃の2日前、在ホノルル日本総領事館の臨時運転手だった邦人男性が、現地でスパイ活動をしていた海軍少尉と共に真珠湾を偵察した様子を、後に米当局に拘束された際に供述した記録が残っていたことが24日、分かった。共同通信が米連邦捜査局(FBI)の捜査資料を入手した。
「戦艦が入ってきた。(艦船が)30隻あった」といった詳しい供述が記されていた。少尉も著書で偵察内容を軍に報告したと明かしており、日本は奇襲を成功させるためこの情報などを基に米艦隊の位置を確認。1941年12月7日(日本時間8日)、攻撃に踏み切った。専門家は「貴重な資料だ」と指摘している。
男性はタクシー運転手で、41年7月から11月まで総領事館に臨時雇用された千葉県出身の三上嘉会氏。少尉は、総領事館員として「森村正」の偽名で活動した松山市出身の吉川猛夫氏。
捜査資料は、FBIと米海軍が作成した計121ページ。軍が42年1月に拘束した三上氏の聴取記録や実況見分調書、乗車記録が含まれる。
