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世界の記憶に「風姿花伝」を推薦 ユネスコ、2027年登録審査

2025/11/25 09:30

 ユネスコの「世界の記憶」へ推薦が決まった「観世宗家伝来 世阿弥能楽論『風姿花伝』」の世阿弥直筆の一部(二十六世観世宗家 観世清和氏提供)

 松本洋平文部科学相は25日、歴史的に重要な文書や絵画などを保護する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」の候補として、室町時代に能を大成した世阿弥の直筆を含む能楽論の書「風姿花伝」を政府が推薦すると発表した。2027年に登録可否が審査される予定。政府が23年に推薦した「広島原爆の視覚的資料―1945年の写真と映像」も、同じ27年の登録審査となる見通しだ。

 風姿花伝は、世阿弥が15世紀前半に著した。演技や作品、観客まで対象とした総合的な演劇論で、現存する著者直筆の演劇論の本として世界最古級とされる。海外では、近現代の演劇人からも高い評価を受けている。

 推薦対象は、世阿弥の子孫に当たる観世宗家で受け継がれた3冊(直筆2冊、写本1冊)。正式な推薦名称は「観世宗家伝来 世阿弥能楽論『風姿花伝』」とした。

 広島の原爆資料は、原爆投下後の広島を撮影した写真と映像。広島市と報道5社が申請し、23年に政府が推薦した。しかし予定された25年に審査の議題に上らず、登録が見送られた。

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