東京都内の公共職業安定所(ハローワーク)の職員が偽名で求職者になりすまし、企業9社の採用選考に応募していたことが1日、分かった。うち4社から採用決定を受けていた。職探しを装うことによって、職業紹介の実績を水増ししていた可能性がある。厚生労働省は、詳しい事実関係の確認を進めた上で、職員を処分する方針だ。
厚労省などによると、職員はハローワーク墨田(東京都墨田区)に所属。少なくとも9社の採用選考に応募して面接を受けるなどした上で、4社で合格した。その後、就職辞退を伝えたとみられる。職員は求職者として2人分の偽名を登録し、求人を出していた事業所に自ら紹介していた。
今秋ごろ、この職員が求人している事業所に面接で出向いた際に実名を記入。事業所側が書類との違いに気づき、ハローワーク側に指摘したことで発覚した。厚労省は既に9社に謝罪した。
求職者側の採用辞退は就職件数から除外されるが、ハローワーク側が把握していない場合は件数に計上されたままとなる。この職員による架空の就職件数は10月の調査時点で4件。
