石川県内最大級の漁獲量を誇った輪島港(輪島市)は、昨年元日の能登半島地震の地盤隆起で深刻な打撃を受けた。間もなく地震発生から2年となる中、しゅんせつなど復旧作業が進み、徐々に船の操業は再開しているが、漁獲量は地震前の4割ほど。「漁が十分にできないままだと乗組員が離れ、今後の確保が大変になる。工事と同時進行で再開していくしかない」。関係者の懸命の努力が続いている。
地震から1年11カ月となった1日の輪島港。午前中は強風や高波の影響で、漁師は海に出ることができなかった。港内では、台船上のショベルカーが海底の土砂をさらっていた。刺し網漁を営む山本広幸さん(58)は「一日も早く漁業が復活し、輪島の町が盛り上がってほしい」と話した。
輪島港は地震で地盤が約1・5メートル隆起し、停泊場所の水深が不足した。
県や国は水深確保のため海底の土砂をさらい、船に乗降するための仮設桟橋を設置するなどして、昨秋から順次漁を再開。ただ現在も復旧工事を同時に実施中。荷さばきする場も限られるため操業の回数や時間を調整せざるを得ない。
