安全と危険の境界でない

 

 身体の外から放射線を浴びることを「外部被ばく」と言います。さまざまな数字が飛び交いますが、空間線量が「1時間当たり0.23マイクロシーベルト」という値は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。除染を行うかどうかや、汚染をチェックするかどうかの判断材料として用いられる値です。

 これは、原発事故によって引き起こされた追加の被ばく量が、年間で1ミリシーベルト(=1000マイクロシーベルト)以下を目指すために、1日のうちの16時間は遮蔽(しゃへい)の強い家の中、8時間は家の外にいると考えて、1年間を1時間当たりになるように割り算して計算されています。

 除染や汚染チェックの判断材料ではありますが、この0.23はそれを「下回っていれば安全」と「超えてしまうと危険」を分ける、境界となる値ではありません。年間追加1ミリシーベルトは、がんを含む健康影響を懸念するレベルよりも十分に低いためです。