天然と人工、放射線は同じ

 

 すべての物質は、目に見えない小さな「陽子・中性子・電子」がそれぞれ何個かずつ集まってできています。この「陽子・中性子・電子」は、互いの個数のバランスが悪いと、その物質は不安定になります(そしてそれは放射性物質と呼ばれます)。

 安定になろうとして、物質の外に不要な「陽子・中性子・電子」自身やエネルギーを吐き出します。それが放射線でした。

 カリウムと放射性カリウム、ヨウ素と放射性ヨウ素、セシウムと放射性セシウム、これらはそれぞれ中性子の個数が異なり、前者は安定なので放射線を出さず、後者は数のバランスが悪いため放射線を吐き出します。

 ただし、結局吐き出される放射線は、「陽子・中性子・電子」自身やエネルギーです。天然と人工の放射性物質から発せられる放射線は同じものであり、結果的にその「量」が問題である理由がここにあります。