一定量以下なら症状出ず

 

 放射線による身体への影響というと、最初に脱毛や鼻血・下痢・やけど(紅斑)といった症状を思い浮かべる方もおられるかもしれません。確かに、一度に大量の放射線を浴びると、髪の毛が抜けたり、血が止まりづらくなったり、将来的に白内障になったりします。これらの症状は、大量に被ばくすると誰であれ「必ず(確定的に)」生じるため、「確定的影響」と呼ばれます。

 ただ、放射線の影響はその「量」の問題です。これらの症状は、数多くの細胞が傷つくような大量(数百ミリシーベルト以上)の被ばくをする際に「初めて」起こり得ます。言い換えると、一定量(数百ミリシーベルト)以下の被ばくでは、「誰にも」起こりません。例えば頭のCTや胸のレントゲンを撮っても、誰も毛が抜けたり、やけどしたりしないことはご存じの通りです。

 「確定的影響」は大量に被ばくすると誰であれ「必ず」起こる症状ですが、逆に一定量以下であれば「誰にも」起こりません。