代替細胞あれば問題なし

 

 私たちの身体をつくるそれぞれの細胞の中には、生きていくために必要な情報が記載された設計図が備わっています。そしてその設計図の原本のことをDNA(ディーエヌエー)と呼びました。

 DNAは放射線やさまざまな原因によって傷つきますが、われわれにはそれを修復する機能が備わっています。傷がついた1秒後にはその修復が開始されるのです。

 しかし、いつでも修復できるわけではありません。傷自体が大きく修復ができない場合、その細胞は死んでしまいます。ただ、一部の細胞が死んでしまうような場合でも、周りの他の細胞が代わりを果たすことができるような場合は問題が起こりません。

 われわれの日常生活で周辺環境から100年間で浴びる被ばく量以上を、一瞬で浴びるようなことがあれば話は別ですが、脱毛や出血・下痢・やけど(紅斑)といった症状=「確定的影響」が、今現在の日常生活では生じ得ないのはこのためです。