被ばく量過大評価の傾向

 

 原発事故による放射線の被ばく量とその健康影響について、いくつかの海外の国際機関からその評価報告書が発表されています。

 国連からの報告書は2013年に発表され、世界保健機関(WHO)よりも精緻に多くのデータを用いて計算されていますが、それでも、福島県内で実際に計測されたものよりも、被ばく量を過大評価している傾向にあることが分かっています。

 特に内部被ばくでは、実際に11年3月に計測された甲状腺の被ばく量は、国連が推定した値の数分の1であったこと、ホールボディーカウンターを用いて県内で実際に測った値の方が国連の推定値よりかなり低かったことが知られています。

 この国連の報告書では「がん患者の増加は考えられない」ことに加えて、「子孫に遺伝的な病気の増加は考えられない」こと、そして妊娠中の被ばくがあったとしても、それが「胎児に影響を与えるとは考えられない」ことが報告されています。