がん増加の線量を下回る

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 放射線は以前から環境中に存在し、われわれは日常的に放射線をある程度の「量」浴びています。放射線被ばくによる身体への影響は、浴びたか浴びていないか? ではなく、放射線をどれくらい浴びたか? という「量」の問題です。

 では、どの程度の「量」浴びたら良くないのでしょうか。核兵器の使用など二度とあってはなりませんが、広島・長崎の原爆投下後に行われた健康影響調査結果は、この質問に答える世界で最も知られた精緻なデータの一つです。

 1950年にアメリカ政府の機関(ABCC)と日本国政府・放射線影響研究所によって開始されました。12万人の住民の方々の爆心地からの距離(と被ばく量)に加え、がんを患ったか否か、および死因が調査され、今現在も続けられています。

 広島・長崎の多くの犠牲から数字だけを言うならば、今回の原発事故によって周辺地域の住民に引き起こされた放射線被ばく「量」は、原爆投下後がんの発生が増えることが認められた被ばく「量」(=約100~200ミリシーベルト)よりもかなり少なかったことが分かっています。