年間1ミリシーベルトの基準の意味

 

 放射線被ばくによる身体への影響はその被ばく「量」の問題です。

 約100ミリシーベルトを超える被ばく「量」では、放射線を浴びれば浴びるほどがんによって命を落とす危険性が増すことが確認される一方、約100ミリシーベルト以下でははっきりせず、放射線によりがん死亡が増えることを示す明確な証拠がありません。あったとしても、肥満・喫煙・飲酒などの生活習慣の方が影響は大きいと考えられています。

 だからといって、100ミリシーベルト以下では放射線のことを考えないという話ではありません。余分な被ばくは避け、無理のない合理的な範囲で被ばく「量」を低く保とう。という考えのもと、さまざまな基準がつくられました。

 空間線量や食品汚染の基準は、年間1ミリシーベルトを基準としてつくられています。この基準が健康にとって非常に安全側に配慮されてつくられていること。0.23マイクロシーベルトや、100ベクレルといった基準が、大丈夫か危険かの境ではないということがお分かりいただけると思います。