セシウム吸収 野菜で違い

 

 植物は、主に根から土の中のミネラルや水分を吸収して成長します。土の中に放射性セシウムがあると、植物は栄養分と間違って吸収し、結果として汚染が起こってしまうのです。

 これまでの検査結果から、農作物の種類によって汚染されやすさに多少の違いがあることが分かっています。少し専門的に言うと、土の中にある放射性セシウムのうち、どの程度が農作物に入ってしまうか、その種類によってだいたい1000分の1から1万分の1程度にばらつきがあります(「移行係数」と呼びます)。

 例えば、小松菜やホウレン草などの葉菜類やバレイショ・ブロッコリーは、キャベツ・キュウリ・ナスに比べればやや高い(セシウムが入りやすい)傾向が見られます。それに対してコメはそれらより低いです。

 そのような農作物自身の事情に加えて、土壌の除染、耕し方や肥料の種類・育て方の工夫などさまざまな対策や努力がさらに農作物の汚染をおさえています。その結果、もう多くの農作物から放射性物質を検出しない状況を実現しているのです。