職業被ばく、線量管理重要

 

 自然の放射線が多い鉱山や炭鉱での労働者、航空機の乗務員、原発で作業される方、医師や看護師・放射線技師など、放射線に仕事上で接する場合、それを職業被ばくといいます。職業被ばくは、患者さんとして検査や治療のために放射線を受ける医療被ばくとは異なり、これ以上放射線を浴びてはいけないという「限度」が法律に定められています。

 仕事上で受ける被ばくというと、原発で作業される方々が受ける放射線をイメージされる方も多いと思います。もちろんその管理は重要な課題の一つですが世界中の職業被ばく全体で見ると、鉱山や炭鉱、航空機内での業務といった、自然に存在する放射線からの被ばくが全体の9割近くを占めることが知られています。

 その一方で、職業被ばく全体のおおよそ1割が人工の放射線からの被ばくとなるのですが、人工のものの中で大半を占めるのが、医学的な利用による被ばく、つまり医師や看護師・放射線技師といった医療者が、患者さんの診断や治療中に受ける被ばくなのです。

 原発で作業される方の被ばくの管理だけでなく、そのほかの職業上での被ばくの管理も同じように重要なのです。