職業被ばく抑える試みを

 

 自然の放射線が多い鉱山や炭鉱での労働者、航空機の乗務員、原発で作業される方、医師や看護師・放射線技師など、放射線に仕事上で接する場合、それを職業被ばくといいます。

 職業被ばく全体のおおよそ1割が人工の放射線からの被ばくですが、その中で大半を占めるのが、医学的な利用による被ばく、つまり医師や看護師・放射線技師といった医療者が、患者さんの診断や治療中に受ける被ばくです。

 医療従事者の中の職業や勤務場所ごとに被ばく量を比べると、医師や看護師よりも放射線技師さんの方が、大学病院や診療所に比べて、一般病院の方が被ばく量の多い傾向にあります。

 どの場合であれ、全体で平均すると年間では1ミリシーベルトに到達しない程度の数字ではあります。その一方で、年間で20ミリシーベルト以上浴びている比率は医師で高く(2000人に1人程度)、50ミリシーベルトを超える報告もゼロではありません。

 医療機器の改良に加えて、知識の共有、作業内容や環境の改善により、職業被ばくを低減する試みが今後も重要です。