福島市飯坂町の穴原温泉・吉川屋の常務畠隆介さん(42)が、韓国・全州(チョンジュ)で9月24日から開催されるドローンサッカーのワールドカップに、クラブチーム「湯脳(ゆのう)」のメンバーとして出場する。畠さんは「活躍を通じ、ドローンサッカーの面白さを多くの人に知ってほしい」と、上位進出と知名度向上を狙っている。
ドローンサッカーは韓国が発祥の地。国際交流大会や世界選手権大会は開催されてきたが、ワールドカップは今回が初めて。畠さんは東京で吉川屋の営業をしていたが、新型コロナウイルス禍で力を発揮できる場が減り、人を引き付けるための新たな手段を探っていた。「伸びしろのある業界」としてドローンの世界に入り、常務の仕事の傍ら、埼玉県川口市でドローンスクールを経営している。
吉川屋館内には、夏休み期間に合わせてドローンサッカーが体験できる組み立て式のコートが設置された。日本ドローンサッカー連盟によると、旅館内にコートが設置されたのは全国で初めて。畠さんは、ドローン体験付きの宿泊プランや教育旅行の誘致を通じて宿泊者の増加に力を入れる考えで「中学校や高校の部活動としてドローンサッカーに取り組んでいる地域もある。ワールドカップでの勝利を誘致の起爆剤にしたい」と意気込む。
ワールドカップには32カ国から2500人が出場予定で、各国の代表チームと各国のクラブチームが世界一の座を目指して争う。「湯脳」のユニホームの背中には飯坂温泉の温泉旅館などの名前も入っており、畠さんは「期待を背負って戦う」と燃えている。
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ドローンサッカー 周りを球状のプラスチックフレームで覆われたドローンボールを操り、5対5で対戦する。ボールをネットで囲まれたフィールド両側の空中にある円形のゴールに入れ、サッカーのように得点を競う。点を決めるだけでなく自陣の守備も重要で、チームワークが求められる。