福島県郡山市と川崎重工業など4社は20日、ごみ処理施設から回収した二酸化炭素(CO2)を燃料化して市内で循環活用する「郡山モデル」構築に向け、連携協定を締結した。川崎重工業が富久山クリーンセンター内の試験装置で行うCO2分離・回収実証試験の成果を共有しながら、燃料の供給体制などを検討する。
郡山モデルは、取り出したCO2をエア・ウォーター東日本が東部ガスの施設に運搬し、東部ガスが再生可能エネルギー由来のグリーン水素と掛け合わせて燃料となる「合成メタン」を生成。これを都市ガスとして一般家庭に供給するほか、日東紡(福島市)が産業用燃料として使用する。
協定を結んだ5者は郡山モデルの来年度以降の実証開始に備え、本年度から技術面や制度上の課題、事業実施体制など社会実装に向けた検討を重ねる。
川崎重工業は2023年度から、同センターで発生する排ガスからCO2を取り出す固体吸収法の評価試験を行ってきた。本年度はセンター敷地内に1日当たり300キロのCO2を分離・回収できる試験装置を新設する。来年3月には試運転を始め、26、27年度で実証試験を進める。
締結式は郡山市で行われ、椎根健雄市長と川崎重工業の真田健司執行役員エネルギーソリューション&マリンカンパニープラントディビジョン長、エア・ウォーター東日本の樋口貴哉常務執行役員・東北支社長、東部ガスの穴水一行社長、日東紡の五十嵐和彦富久山事業センター長が協定書に署名した。