核分裂で生じる大小の塊

 

 原子力発電では、中性子がウラン235にぶつかり連鎖的に起こる核分裂反応で生み出された熱を利用して発電をしています。  

 復習になりますが、全ての物質は「陽子・中性子・電子」の粒がそれぞれ何個かずつ集まってできていました。ウラン235は、陽子と中性子の粒が合計235個集まってできています。

 ウラン235に中性子がぶつかり核分裂する際、きれいに真っ二つに割れるわけではありません。多少の個数の差はありますが、大ざっぱには140個ぐらいの大きい塊と95個ぐらいの小さい塊に分かれることが知られています。そしてさらに中性子が複数個放出されることで次の分裂につながっていきます。

 大きい塊と小さい塊の組み合わせとして様々な割れ方があるため、核分裂で生まれる放射性物質も様々です。大きい塊側でよく名前を聞くのが、ヨウ素131やセシウム137。小さい塊ではストロンチウム90でしょうか。

 いろいろな種類の放射性物質と聞き、びっくりされるかもしれません。しかし、放射性物質はそれぞれで量や半減期、飛び散り方が異なります。その結果、現在考えなければならない放射性物質の圧倒的大部分はセシウムであることに変わりはありません。