時間かけ浴びると影響小

 

 たくさんの放射線(高線量)を浴びたときの健康のリスクが、100ミリシーベルト以下(低線量)でも、放射線の量に比例して起こると「仮定」して、放射線は管理されています。

 ただ、たくさんの放射線であっても、それを一気に浴びた場合と、ゆっくりと時間をかけて浴びた場合では、身体への影響が異なります。

 時間をかけて浴びた場合の方が、影響は小さくて済むのです。私たちの身体の細胞は、放射線によってダメージを受けたとしても、その傷を治したり、傷ついた細胞を取り除いて新しく入れ替えたりといったことができるためです。時間をかけて浴びた場合に、放射線の影響が小さくなる効果は、中性子線などに比べて日常生活において重要な、ガンマ線やエックス線で顕著であることも知られています。

 短時間に一気に放射線を浴びた広島・長崎での状況は、汚染が長期間に及ぶ原発事故後の状況とは異なります。これまでのさまざまな研究の結果から、時間をかけて放射線を浴びる場合は、短時間で浴びる場合に比べ、放射線の量が同じであっても、身体への影響は「半分」になるとして、放射線を管理するのが現在の一般的な考え方です。