放射線、遠隔操作で当てる

 

 放射性物質を体内に入れてがんを治療する方法として、放射性物質を含んだカプセルを飲んだり、血液中に投与したりする方法を内用療法と呼びました。

 その一方で、身体の中のがん細胞やその周辺に、身体の外から小さく密封した放射性物質を直接挿入して、がん細胞に放射線を浴びせる方法を小線源治療と言います。

 密封した放射性物質を直接身体に入れる方法として、1ミリ×5ミリぐらいの小さなカプセルの中に放射性物質を密封し、それを前立腺の中に永久的に埋め込むという方法と、放射線を当てたい場所のすぐ近くに、遠隔操作によって一時的に放射性物質を近づけ、治療が終われば回収するという方法があります。

 例えば、食道にできたがんを治療する場合であれば、胃カメラと同じ要領でチューブを口から飲み込んでいただきます。そのチューブの中に放射性物質を通して、遠隔操作でがんのある場所のすぐ近くまで持って行って放射線を当てます。10分前後の治療の後、放射性物質を回収するのです。これを何回か繰り返していきます。

 小線源治療では、放射線を当てる場所は局所的のため、大きな病変を治療することはできませんが、がんの治療として有効な方法の一つです。