複数の専門医が検査判定

 

 県民健康調査の一つである「甲状腺検査」は、震災時点において福島県に在住していた18歳以下の全県民を対象とした、甲状腺に対する検査です。その当時のあったかもしれない放射線被ばくなどの影響により、現在の甲状腺の状況がどうかを見守るための検査です。

 この甲状腺検査では、どこで検査を受けても、甲状腺をどのように観察するか、どのような画像を保存してチェックするかが細かく決められています。実際に検査で記録された画像は、センターに集積され、決められた判定基準に従い、複数の専門医による判定委員会において、結果の判定が行われます。

 ここまでの1次検査でさらなる検査が必要であると判断された場合、2次検査にて、診察・採血検査・尿検査・再度の超音波検査などが行われます。その中で、甲状腺に悪性の可能性が高いものが見つかるような場合、針を刺して一部の細胞を取り、悪性かどうかを判断する穿刺(せんし)吸引細胞診という検査が行われます。

 この針を刺す検査は、2次検査に来られた方全員に行うわけでは全くありません。できるだけ客観的な基準で、かつ受診された方の不利益とならないよう、学会で発表されている基準に基づき必要であると考えられる場合にのみ検査が行われるよう体制が構築されています。