毎年6月の第1日曜日に東北地方のトップを切って解禁される久慈川のアユ釣り。県内外から多くの「太公望」が詰め掛ける町の風物詩だが、東京電力福島第1原発事故により一時中止の危機に見舞われた。
2012(平成24)年3月の県の調査で、同川のヤマメとウグイから1キロ当たり100ベクレルを超える放射性セシウムが検出された。これを受け久慈川第1漁協がその年のアユ漁の中止を検討した。しかし、その後の県の調査の結果、アユからは放射性物質が検出されなかったため同漁協は一転して解禁を決めたが、原発事故の影響が根深く残る出来事となった。
17年4月から、町内での起業や、事業拡大のノウハウを教える塾「矢祭未来想成アカデミー」が開校した。1期生として参加した神奈川県出身の青樹雅実さんが19年9月に町内で居酒屋「あつまり処 あおちゃん家」を開店するなど、経営者も誕生した。塾は現在4期目を迎え、起業を目指す人が学んでいる。