【３】飛び込めば道は開ける　エアレースパイロット・室屋義秀

　「初めての翼」は古めかしい機体だった。 　中央大入学後、航空部に入った。そこで乗ったグライダー（エンジンのない飛行機）が最初の機体だった。しかし古くてトラブルが頻発し、部員も多くて順番が回ってこず飛行時間も短い。「もっと自由に空を飛びたい」。エンジン付き飛行機に乗る欲求が高まった。 　「アメリカは安く簡単に飛行機免許が取れるらしいぜ」。こんなうわさ話を聞き、大学２年の春休みに渡米し飛行機免許を取...