海辺の高い丘の上から街並みを見下ろす老人。追っ手から逃れ、海からの風音しか聞こえない静かな丘で休んでいると、遠くに見える鐘楼の鐘つき場の部分が白くなったり、黒くなったりしているのに気付いた。1カ所だけではない ▼あちこちの鐘楼で鐘という鐘が猛烈に打ち鳴らされ揺れていた。老人は静寂の中で、街の喧騒(けんそう)を「目で見る」ような奇妙な感覚に陥る。その後、自分を探す人たちが鳴らしていたことを知る...
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