松尾芭蕉は東北への旅に際し、友人への手紙に「今年の旅はやつしやつして、菰(こも)かぶるべき心がけにて御座候」と書いた。着ていた衣装を貧しい人々に与え、身をやつして旅をした平安時代の僧が念頭にあったらしい ▼芭蕉はその前年、古里に帰るための旅でも、ごちそうを避けるなど質素さを追い求めている。今回の旅では、それをさらに究めたい―との思いだったのだろう ▼実際のところは、著名人でもあり、行く先々でかなり...
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