東京電力福島第1原発2号機からの溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しで、東電は18日、来週中にも回収が完了するとの見通しを示した。18日からデブリを持ち上げた取り出し装置を格納容器外へ引き抜く作業に入っており、順調に進めば20日にもデブリを装置の収納箱に移した後、21日以降、保管用の容器に入れて回収作業を終える予定。
東電によると、目立ったトラブルは確認されていない。17日の作業では取り出し装置で原子炉格納容器の底部にあった小石状のデブリをつかみ、開口部の上に持ち上げた。大きさは7ミリ以下とみられる。
18日には装置の引き抜きに向け、格納容器側面の貫通部に挿入していた5本のパイプのうち3本を取り外し、装置を格納容器の外側に5メートルほど移動させた。19~20日に残り2本のパイプを引き抜き、装置を収納箱に入れる。
東電は21日以降、デブリの放射線量を収納箱の外から測定し、作業員の被ばく対策で設定した毎時24ミリシーベルトの基準を下回った場合、保管用の容器に移す。その後、茨城県大洗町の分析機関に運び、本格的な取り出しに備えてデブリの性状などを初回と比較、分析する。