東京電力は21日、福島第1原発2号機からの溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しで、作業が順調に進めば、23日にもデブリの回収が完了するとの見通しを明らかにした。デブリの放射線量を測定した結果、作業員の被ばくを抑えるために定めた基準の毎時24ミリシーベルトを下回り、回収可能と判断した。
東電は21日、取り出し装置の収納箱の外側からデブリの放射線量を測定し、20センチの位置で換算した結果、毎時0.1ミリシーベルトだった。回収に成功すれば2回目となり、本格的な取り出しに向けてデブリの性状など詳しいデータの収集につなげる。
今回のデブリは、初回よりも1~2メートル奥の格納容器中心部に近い場所から採取し、大きさは7ミリ以下とみられる。東電は19~20日、格納容器側面の貫通部に挿入していたパイプの引き抜き作業を続け、デブリをつかんだ装置を格納容器の外に出し、収納箱内に収めた。
22日に原子炉建屋内でデブリを運搬用の箱に収め、23日に箱ごと専用のコンテナに収納する予定。東電は「専用のコンテナに入れた時点で回収完了とする」としている。
今後、原子炉建屋2階の設備でデブリの詳しい重量や放射線量を測定する。準備が整い次第、茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構(JAEA)大洗研究所の分析施設に運び込み、詳細に調べる。