三島由紀夫は毎年の夏を、静岡県下田市で過ごしていた。日本文学研究者のドナルド・キーンさんらが招かれ3人で会食した際のこと。三島は伊勢エビ5人前を注文し、それでも「足りない」と2人前を追加した ▼キーンさんは高価なものばかりを食べ急ぐ三島に初めて接した。自決する3カ月ほど前。この逸話はいくつかの随想に書いている。「私と20世紀のクロニクル」(中央公論新社)のなかでは、「私たちの最後の晩餐(ばんさん...
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