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避難市町村15歳以下の健康診査、26年度で終了へ 福島県と福島医大

2025/11/21 10:10

 福島県と福島医大は20日、東京電力福島第1原発事故後続けてきた県民健康調査の15歳以下の健康診査を2026年度までで終了する方針を明らかにした。事故当時に生まれた人が16歳以上の健診に移行するほか、これまでの調査で放射線の直接的な影響が確認されていないことから当初の目的は達したと判断した。

 福島市で20日に開かれた県民健康調査検討委員会で示した。

 健康診査は、原発事故の避難区域など13市町村で暮らしていた県民の健康状態の把握や生活習慣病予防などを目的に開始。県内外の小児医療機関の協力を得て11~24年度の13年間で延べ8万4789人が受診した。

 15歳以下の健診では、事故後の避難による運動機会減少や食生活の変化で一時的に肥満や高血圧の傾向を示す子どもの存在が判明したが、追跡調査で改善が確認された。また放射線の影響については白血球数の分析などで影響は確認されなかった。

 健診は現在も対象地域の0~15歳の子どもたちを対象に実施しているが、震災当時に生まれた子どもが16歳以上の健診に移行するタイミングに合わせ、全て終了する方針だ。通常の健診は学校などで行われていることを踏まえ、検討委員会では委員から「妥当な判断ではないか」との意見が出た。

 県などは今後、調査で得られた知見や27年度以降は実施しない方針を周知し、理解を求める考えだ。

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