本書は、故郷の福島市に住み、その土地につながる歴史小説を書き続ける著者の新作である。舞台は戦国時代。しかし、主人公は武器を持たず、戦場に出ない侍「文官」。伊達政宗ら武将の物語が続いた著者にとって少々異色だが、シャープな文体ながら人間味を浮かび上がらせる筆の冴(さ)えは健在だ。 和久宗是(わくそうぜ)は、織田信長、豊臣秀吉ら天下人に仕え、晩年は伊達家に身を寄せた実在の人物。信長に手討ちにされか...
この記事は会員専用記事です
残り184文字(全文384文字)
続きを読むには「みんゆうプラス」の会員登録もしくは
「福島民友新聞購読」の申し込みが必要です。
