日東紡(福島市)は27日、完全子会社のニットーボーメディカル(東京都)が酸化型アルブミン(HNA)の測定試薬を開発し、販売を始めたと発表した。これまで特殊機器が必要だったHNAの簡易測定が可能になり、疾患の早期発見や重症化予防に役立つことが期待される。
ニットーボーメディカルは、血液や尿などから健康状態を調べる体外診断用医薬品の製造・販売事業などを展開。郡山市の日東紡富久山事業センターに研究開発・生産拠点を置く。試薬は9月24日付で認定検査試薬に認められた。
HNAは血液中に多く含まれるたんぱく質で、生体内の酸化ストレスが活発化すると増加する。HNA量を測定することで、糖尿病合併症などの病気の進行を知る指標になるとされている。
これまでHNAを測定するには高精度で特殊な機器が必要で、専門の検査機関でしか取り扱えないことが課題だった。今回の試薬開発により、一般的な医療機関などで使われている装置でも測定が可能となる。同社は今後、試薬による科学的根拠を蓄積することで疾患との関連性を調査し、体外診断用医薬品として製造販売承認の取得を目指すという。
