与謝蕪村にこんな句がある。<斧(おの)入れて香におどろくや冬木立>。葉を落とした寒木だが、斧を入れると鮮烈な香りがする。枯れ木立に見えても、春に向けて豊かな生命力を宿す ▼植物学者の田中修さんによると、葉は風で吹き落とされるのではない。栄養分を本体の樹木に戻した後、自ら支度をして枯れ落ちる(「植物のいのち」中公新書)。木の葉は冬木立に翌年の力を託して散っていく ▼木々がひたむきに命をつなぐ...
この記事は会員専用記事です
残り314文字(全文514文字)
続きを読むには「みんゆうプラス」の会員登録もしくは
「福島民友新聞購読」の申し込みが必要です。
