福島県は、従業員の健康づくりに取り組む「健康経営」の本年度優良事業所に過去最多の320事業所を認定し、1日付で発表した。認定数が300事業所を超えたのは初めてで、県内で健康経営の取り組みが着実に広がっているのを示した形だ。特に優れた3事業所として、最高賞の知事賞に矢吹タクシー(矢吹町)、最高賞に次ぐ福島民友新聞社賞ににしあいづ福祉会(西会津町)、福島民報社賞にANAエアサービス福島(玉川村)を選んだ。
矢吹タクシーは、車庫までのウオーキングや点呼前の血圧測定、禁煙などに取り組み、社員一丸となって健康意識の醸成を図っている。取り組みが結果に表れ、病欠者の数が減少した。
にしあいづ福祉会は、健康状態を記録する健康ポイント手帳の導入や福祉会内でウオーキング大会を開催するなど、職員の健康意識の向上に努めている。
福島空港で飛行機の発着に伴う地上支援業務を担うANAエアサービス福島は、社員の健診受診や熱中症・防寒対策、健康アプリの活用などに力を入れる。
「ふくしま健康経営優良事業所」の認定・表彰制度は8年目。認定期間は1日から2年間で、今回の認定で総数は計580事業所となった。
昨年度から導入した、健康経営の取り組みを中長期的に継続する事業所を対象とした「ふくしま健康経営『長期』優良事業所」(3期6年以上)には116事業所が認定された。
県は本年度から新たに、健康づくりなどに取り組む事業所とふくしま健康経営優良事業所の認定を受けた事業所に奨励金を交付しており、働く世代の健康増進を一層推進している。県は「生活習慣病を防ぐためには家庭だけでなく、事業所でも健康の取り組みを広げる必要がある。県と市町村、企業が一体となって引き続き健康経営を促進していく」(健康づくり推進課)としている。表彰式は25日、福島市で行われる。

