政府は29日、2030年代を見据えた自動車産業のデジタル戦略の改訂案を公表した。海外勢と比べ遅れが指摘される自動運転を巡り、人工知能(AI)を用いた技術開発を後押しする。今秋から経済産業省と国会を自動運転車で結ぶ実証実験を行う。
公用車を積極的に活用し、民間での需要を喚起したい思惑だ。自動車大手や部品メーカーの一層の協調を促す。
トランプ米政権の関税強化などにより自動車産業に不透明感が広がる中、経済産業省の担当者は、サプライチェーン(供給網)を強化し、重要技術を国内で生産できる基盤の強化が必要だと説明した。
高度なソフトを搭載した車は「SDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)」と呼ばれ、各社が開発を進める。政府は昨年公表したデジタル戦略で、SDVの世界販売台数に占める日本勢のシェアを30年時点で3割にする目標を掲げた。
改訂案は、SDVの開発に個別の企業での研究には「限界がある」と指摘し、供給網全体で取り組む必要があると指摘した。