国連人道問題調整室(OCHA)は17日までに、ヨルダン川西岸でユダヤ人入植者によるパレスチナ側への10月の暴力行為の件数が264件で過去最多だったと発表した。特産のオリーブの収穫期を迎えた西岸では、イスラエルから入植したユダヤ人によるパレスチナ住民や樹木への攻撃が急増。襲撃を受けた女性は「自治区ガザの停戦で落ち着くかと思ったが、西岸への攻撃は終わらない」と訴えた。
自治区ラマラ近くのムガイヤ村。10月27日、農家アファフ・アブアリアさん(55)が自宅で横たわったまま見舞客にあいさつしていた。「全身にあざが残って、どの体勢でもつらい」という。
アブアリアさん宅から数キロ離れたオリーブ畑の収穫初日の19日、朝の作業開始直後に覆面姿の入植者ら約20人が現れ、アブアリアさんは暴行を受けた。木の棒で全身を殴られ意識を失った。「実り豊かな時期が襲撃の恐ろしい季節に変わってしまった」と嘆息した。
オリーブはパレスチナ人にとって生活の糧である上、樹齢が長く土地に根を張る存在として抵抗の象徴ともされた。(共同)
