被ばく量、蛍光物質で測定

 

 放射線被ばくの身体への影響はその浴びた「量」の問題です。放射線や放射能がどれくらいあるかを調べるために、さまざまな測定器が存在します。

 目覚まし時計の文字盤のように、光のエネルギーを吸収し、その後に別の光を発するもののことを「蛍光物質」と呼びます。空間線量の計測にはこの蛍光物質が使われているもの(シンチレーション検出器)が多くありました。

 この蛍光の技術は首からぶら下げて外部被ばく量を測るバッジ型の個人線量計(ガラスバッジと呼ばれることもあります)にも使われています。

 バッジの中に銀を含むガラスが内蔵されており、そこに放射線が当たると銀の性質が変化します。例えば3カ月間ガラスに放射線が当たると、その期間に放射線が当たった分だけ性質の変化した銀の量が増えます。

 その性質の変化した銀は、紫外線を当てるとオレンジ色に光る蛍光物質です。バッジをつけた後にガラスに紫外線を当て、オレンジ色の光がどれだけかを見ることで、3カ月間の放射線量(外部被ばく量)が分かるのです。