ウラン分裂で熱生み出す

 

 原子力発電では核分裂反応によって生み出した熱で水を加熱し、水蒸気でタービンを回して発電をします。核分裂反応は燃料の放射性ウランを用いて行われていました。

 放射性ウランに中性子の粒をぶつけると、放射性ウランがより不安定となり、分裂して熱を生みます。この分裂を起こす時に新しい中性子の粒が生まれるため、その生まれた新しい中性子の粒がぶつかる次の放射性ウランが分裂し、また次の新しい中性子の粒が生まれます。するとまた次に同じことが起こる。というように放射性ウランは条件をそろえると連鎖的に分裂を繰り返すという特徴がありました。

 この放射性ウランは、天然のウランの中に1%弱含まれているのですが、放射性ウランを3~5%程度になるように濃縮して燃料とし、この連鎖反応を密閉された空間の中で条件をそろえてゆっくりと進行させ、持続的に熱を取り出すのが原子炉です。その一方で、放射性ウランを90%以上の高濃度に濃縮し、この連鎖反応を高速で進行させ、大きなエネルギーを一瞬のうちに作り出すのが原子爆弾ということになるわけです。