制御棒はブレーキの役割

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 放射性ウランは中性子の粒がぶつかると次から次へと連鎖的に分裂を繰り返します。原子力発電ではこのウラン235の核分裂反応によって生み出された熱で水を加熱し、水蒸気でタービンを回して発電をします。

 中性子があるおかげでこの連鎖反応は起きています。実際に運転中の原子炉の中には核分裂によって生まれた中性子が多くあります。中性子の数が多ければ多いほど核分裂の連鎖が大きくなりますし、中性子の数が減れば核分裂の連鎖は小さくなります。そして中性子がもっと減れば核分裂の連鎖自体が止まってしまいます。

 中性子を吸収することで原子炉の中の中性子の数を一定の数に保ち、核分裂を安定的に継続して行えるよう中性子を減らすのが「制御棒」です。軽く踏めば減速し、強く踏めば車を止めるブレーキのような役割です。

 震災時、地震センサーが働き制御棒はいっせいに炉心に挿入されました。急ブレーキにより原子炉内の核分裂反応は止まりました。しかし核分裂が止まってもさまざまな放射性物質が残っているため炉心からの発熱はすぐには止まりません。この熱を冷やすことができなかったことがその先に起こった水素爆発につながっていきました。