意図しない臨界「事故」に

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 「臨界」とは、核分裂に必要な中性子の数がそれ以上増えず、核分裂の連鎖が安定的に続いている状態のことをいいます。原子炉が運転される際、中性子をコントロールし、核分裂の連鎖反応を安定的に維持する状態に到達したことを、「臨界に達した」と呼びました。

 その一方で、ウラン235のような核分裂するものが、何かしらの不用意な誤操作をきっかけに「意図せず」臨界となる、またはそれ以上に核分裂の連鎖反応が起こってしまうことがあります。これを臨界事故と呼びます。

 1999年9月、茨城県東海村の核燃料加工会社でウラン溶液を混ぜる作業中に臨界事故が発生してしまいました。その場所は原子炉内のように計画的に臨界を目指す施設ではありません。意図せず核分裂の連鎖反応が進んで持続し、周辺に中性子線やガンマ線をはじめとする放射線をまき散らしました。その結果、至近距離で中性子線を浴びた作業員3人中、2名が死亡、1名が重症となったのに加え、多数の被ばく者を出す惨事となりました。