健康はお互いの気遣いで

 

 われわれの健康を考える際、放射線被ばくだけでなく糖尿病や肥満といった生活習慣病など、健康に影響を及ぼすさまざまな事柄を知り、バランス良くコントロールすることが重要です。

 その中で喫煙や食事・運動はよく話題に上り、意識されておられる方も多いと思います。しかし、このような個人のライフスタイル以上にわれわれの健康に大きな影響を与えているかもしれないことがあります。それが「孤独」です。

 孤独とは一緒に家族と住んでいるか? という意味だけではありません。同窓や同僚、趣味仲間、地域にあるさまざまなコミュニティーなど、いろいろな人間関係を持つこと。そして自分を思ってくれる人や、お互いに共感できる人、特定のグループや集団などさまざまな社会との関わりを持つことが健康のために非常に重要なことが分かっています。最近、イギリスでは孤独担当相が新設されたぐらいです。

 われわれの健康はお互いさまの中で成り立っています。お互いに気遣うことができれば、それだけで何かに気付くのが早くなりますし、必要な情報の入手や連絡もスムーズになります。例えば1週間に少しの時間でも定期的に誰かと連絡を取り合ったり、家族や友人と時間を共有したりすることで、自分が気に掛けている人や自分を気に掛けてくれる人とつながる機会を増やす。

 なかなか行うは難し。ですが地域の健康を守る上でとても重要な事柄なのです。