ポロニウム魚介類に多く

 

 ベクレル、キュリー、レントゲンなどの科学者によって、19世紀末から放射線に関わる研究は急激に進歩しました。

 放射性カリウムやウランなど、さまざまな放射性物質が体の中や土、空気中など、ありとあらゆる場所に存在し放射線を発しています。1896年、アンリ・ベクレルによってウランから放射線の出ることが発見された後、それ以外のさまざまな放射性物質が見つかっていきます。

 マリー・キュリー(キュリー夫人)は夫のピエール・キュリーとともに、とある鉱石が金属ウランよりも強い放射線を出すことを発見します。そしてその中からポロニウムとラジウムという新しい放射性物質を取り出すことに成功するのです。

 ポロニウムは魚介類に多く含まれます。そのため、魚介類を多く食べる日本人は、世界平均に比べそこから浴びる放射線量が多いことが知られています。ちなみに、ポロニウムという名前は、その当時ロシア帝国の占領下にあり、キュリー夫人の祖国であるポーランドにちなんで名前がつけられました。