放射線研究、19世紀末進歩

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 1895年にレントゲン博士がX線を発見した後、96年にベクレル博士がウランから放射線が出ること(ウランが放射能を持つこと)を発見します。その後の98年にはキュリー夫妻がウラン以外の新しい放射性物質(ラジウム)を発見します。さまざまな科学者の登場によって、19世紀末から放射線に関わる研究は急速に進歩しました。そして放射線は医療をはじめ農工業などわれわれの生活の中で多方面に利用されるようになっていきます。

 その一方で、放射線が人体に障害を与えることも早い時期から知られていました。ベクレル博士の発見と同じ96年にはX線による皮膚炎が報告され、放射線から手を守るためには、放射線を出す場所に近づく時間を短くし、距離を取り、遮蔽(しゃへい)をするという3原則も発表されます。20世紀初めには、皮膚がんや白血病も知られるようになります。

 このように放射線の技術が急速に進歩する一方で、放射線による身体への影響に関する知見も同時に積み重なっていきました。それに基づき、放射線を受ける「量」がどれくらい以上にならないよう目指すべきか、といった放射線防護に関する考え方も改良を重ねながら、徐々に進歩していったのです。