放射線の防護対策が進む

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 放射線を大量に浴びると「がん」になるのではないか?といわれることがあります。「がん」について知るために、少しその歴史を振り返ります。18世紀の末にロンドンの煙突の掃除人の中で陰のうのがんが多いという報告がなされて以来、工場や鉱山で働く人たちの中にさまざまな種類の職業がんが報告されるようになります。

 放射線による発がんは20世紀に入ってから注目されるようになり、皮膚がんや白血病などの報告が、X線を出す器械を作ったり実験したりする科学者だけではなく、放射線を扱う医師や放射線技師の間で相次ぐようになります。放射線防護の意識がまだ十分ではなかった20世紀当初は、放射線科医は放射線科以外の医師に比べて白血病によって命を落とすリスクが数倍も高かったことがいわれています。

 しかし第二次世界大戦後、1950年代以降に放射線科医として働き始めた医師では、がんによって命を落とすリスクはほかと変わりませんでした。時代とともに放射線防護対策が徐々に確立し、放射線を浴びる量がしっかりと管理されるようになってきたからです。