甲状腺の被ばく量に違い 

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 これまで数多くの原子力事故が世界中で記録されている中、1986年のチェルノブイリ原子力発電所と福島第1原子力発電所での事故の二つがレベル7(深刻な事故)とランク付けされています。この二つはレベルが同じに分類されてはいますが、状況やその後の対策など異なる点が多くあります。

 一つの大きな違いは、放射性ヨウ素による甲状腺の被ばく量です。半減期が8日と短い放射性ヨウ素による被ばくを避けるためには、事故直後に汚染された草を食べた牛の乳をコントロールし、子どもにたくさん与えない、ということが重要でした。これがチェルノブイリの事故後に甲状腺被ばくが起こった主な原因でした。残念ながらチェルノブイリの事故後は、旧ソ連時代で事故が起こったこと自体が周辺地域に十分に知らされなかったり、汚染された地域が非常に広く離れていたりといったことから、早期に避難や食品管理が行われた福島での事故に比べて甲状腺の被ばく量がかなり多くなったのです。

 さまざまな推定がありますが、福島で起こってしまった甲状腺の被ばく量は小さく、チェルノブイリの時に比べて平均値・最大値ともに2桁程度低いことが知られています。これが、現在いわれている甲状腺がんが被ばくによるものとは考えづらい根拠の一つです。