エコノミー症候群に注意

 

 先般の台風および大雨に関連した被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。浸水・断水に伴う対応や、泥や廃棄物の処理など、多くの方々が今も大変な中におられると思います。

 東日本大震災の経験から、健康の面で災害の対応についていくつか気を付けるべきことがあります。

 エコノミークラス症候群という名前はご存じでしょうか。足の静脈に血液が詰まり、それが肺の血管に詰まることで命を脅かす可能性のある病気です。避難場所や被災した自宅であまり身体を動かさない、やむを得ず車中泊をする、脱水気味になる―といったことが原因となります。高齢の方、がんを患っておられる方は特に注意が必要です。

 しかし、十分に予防もできます。足首を前後に定期的に動かす、ふくらはぎのマッサージをする、やむを得ず車中泊をする場合は座席に座ったまま眠らない、こまめに水分補給する、弾性ストッキングを着用する―といったことが有効です。

 特に脱水にならないことは重要です。汗をかいていなくても皮膚や呼吸から私たちは1日1リットル程度の水分を失っています。血管を詰まりやすくするだけでなく、便秘や冬の熱中症の原因にもなります。断水で水が手に入らない、トイレが不便になる―といった理由で水分摂取を控えることのないようにしましょう。