薬の内容、普段から把握を

 

 先般の台風および大雨に関連した被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。東日本大震災の経験から健康の面で災害後の対応についていくつか気を付けるべきことがあります。

 一つは飲んでいる薬の中断です。薬にもいろいろな種類があります。ビタミン剤やちょっとした痛み止め、消化を助ける薬といった、つい短期間飲み忘れてもそれほど問題にならないものから、血をさらさらにする薬、けいれん止め、ステロイドと呼ばれる炎症を抑える薬、血糖を下げる薬、インスリンの注射など、急にやめるとその反動で命に関わる場合があるものまでさまざまです。

 いくつかの医療施設が被害を受けたこともあり、飲んでいた薬の中断を余儀なくされた方もおられると思います。そうではなくても、自家用車が被害を受けた、遠くの大きな病院まで通いづらくなった、近くのバス停までが遠くなった、ご家族のサポートが受けづらくなったといったさまざまなことが起こります。

 人間は周辺の環境の変化に弱いです。前もって薬の内容を把握しておくことも大切ですが、家族や近所の方とのコミュニケーションを密にし、お互いに声を掛け合うことが大切です。