【起き上がり小法師】〔南相馬・十割そば こごた〕一期一会...最高の味

 
「一期一会を胸に、最高のそばを提供したい」と意気込む小牛田さん(左から2人目)

 南相馬市小高区の住宅街の一角にあるそば店「十割そば こごた」。地元住民や復興関係で訪れた人が、店主こだわりのそばを味わっている。

 公務員時代からそば打ちやそばの食べ歩きが好きだった店主の小牛田(こごた)一男さん(68)。「自分で打ったそばを地元の人たちに食べてもらいたい」と県外での修業を経て、2009(平成21)年6月、自宅を改装して開業した。

 地元だけでなく、近隣の浪江町や双葉町からも客足があった。しかし、11年3月の東京電力福島第1原発事故により同区に出された避難指示で、小牛田さんは休業を余儀なくされた。

 避難生活のさなかもボランティアとして避難者にそばを振る舞ったり、そば打ち教室などを続け、「小高の避難指示が解除されたら、事業を再開したい」と熱意を持ち続けた。

 16年7月の避難指示解除から約半年が経過した17年2月22日に営業を再開。現在は妻章子さん(63)や地元出身のスタッフで店を切り盛りする。

 十割そばがメインで、エビや季節の野菜の天ぷらがつく天ぷらざるそば(税込み1300円)が人気。このほか、二八そばやそばぜんざいなども提供する。小牛田さんは「一期一会を胸に、最高のそばを提供したい」と笑顔を見せる。

 住所は南相馬市小高区吉名字西長迫7。営業は水曜日から日曜日の午前11時30分~午後1時30分。