【3号機ルポ】廃炉...困難作業続く 「燃料搬出」真剣に操作訓練

 

 3号機では、3月末に使用済み核燃料プールからの燃料搬出が始まる。相次ぐ機器の不具合で当初予定していた昨年11月の搬出開始が遅れたが、再発防止対策を終え、本番に備えた機器の操作訓練が続く。

 2月20日に第1原発を視察した。3号機の原子炉建屋最上階では、ドーム状の屋根に覆われた内部で燃料を入れる輸送容器を動かす訓練が行われていた。クレーンは日米の電圧の違いが原因で不具合が発生したが、訓練では遠隔操作で問題なく輸送容器を動かす様子が確認できた。視察時は本番まで約1カ月。免震重要棟の遠隔操作室でクレーンを操る作業員の表情は真剣そのものだった。

 第1原発では昨年5月、一般作業服で立ち入れる区域が敷地の96%まで拡大。1~4号機を見渡せる、建屋から約100メートルの高台にはヘルメットやマスクなしで入れる。一方、構内には原子炉建屋内など依然、人が立ち入れない高線量区間もある。そこでは遠隔操作による使用済み核燃料の搬出やデブリ取り出しを控え、困難を極める。東電には3号機の不具合を教訓とした機器の品質管理はもちろん、徹底した作業の安全確保が求められている。