桜の聖母短大などを運営する学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダムは来年4月、桜の聖母学院高に通信制課程を新設する。全日制と同様に通信制も女子校とし、全日制に転籍できるようにするのが特徴。来年4月の男女共学の小中一貫校設置に伴い移転する福島市野田町の現在の中学校校舎で授業を行う。不登校の増加や多様化する生徒のニーズに対応するため、柔軟な学習環境を整える。
西内みなみ理事長らが5日、同市で記者会見し、発表した。通信制課程の定員は1学年30人で、全日制と同じ普通科。自由登校日を含め週2~5日の通学で、大学受験や学び直しなど多様な学習ニーズに対応できるカリキュラムを組む。修道院訪問や茶道・着付け教室などの特別活動(3年間で30時間)も取り入れる。これまで積み上げてきた教育方針を生かし、多様な学びを進めていく。私服登校とし、フォーマル時に着るブレザーのみ統一する。
全日制への転籍を可能とし、例えば全日制の1年生と同じ教科科目の単位数を修得した場合、全日制の2年生に転籍できる。
法人は「桜の聖母学院教育改革計画」を進めており、同市野田町の高校に隣接する中学校を、同市花園町に移転して小中一貫校として開校する。桜の聖母学院高の高城友治校長は「場合によっては高校も花園町へ(移転)ということも出てくるかもしれないが、当面は野田町の校舎で通信制課程を開校したい」と述べた。
通信制課程の入試は来年1月24日と3月26日に行われ、面接や作文を予定している。11月1日に学校説明会を開く。
「認定こども園」整備計画を発表
学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダムは、現在の幼稚園から移行する形で来年4月に開園予定の「桜の聖母学院認定こども園」の整備計画も発表した。
幼稚園舎を全面改築し、給食の提供を始めるための厨房(ちゅうぼう)施設を増築する。収容定員は0~5歳児計135人。東京電力福島第1原発事故後、屋外活動が制限されたため整備した屋内園庭を改修し「子育て支援室」を設ける。今月中旬に着工し、来年2月末に完成予定。
西内理事長は会見で「認定こども園で今まで預かることができなかったゼロ歳児を預かり、中学校の共学化で男子生徒も受け入れ、通信制課程の新設で子どもたちの多様な居場所をつくりたい」と説明。「地域で暮らす子どもたちや保護者のニーズに応え、地域から必要とされる学校であり続けたい。それが若年人口流出の歯止めになればと強く願っている」と述べた。